読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

悩みは特にありません。

でも性格は暗いです。

順風マンボ

永遠に終わらないのかもしれないと思っていた十月が、今日終わるらしい。なにげなく入力したブログの一行目がなんか小説っぽくなっていたので、私はそんな自分にイラっとしました。気取るな。

なぜ永遠に終わらないかもしれないと思っていたのかというと「10月中にやり遂げねばならぬこと」がなんか頭上にジャンゴジャンゴと降りかかってきてしんどかったからで、忙しかったのならはやく過ぎそうなものだけど、自分以外の人が下す決定をジト目でじっと待つ(若干のダジャレ感)しかない時間も多く含まれていて、だから私の10月は体感的にネバーエンディングストーリーだったのです。

11月中旬までで会社を辞めねばならん(Not解雇)し、年内に引っ越しをせねばならん。来年には新しい本が出る。来年には子どもが小学生になる。 10月が終わっても「やり遂げねばならぬこと」はモリモリあるのですが、今のうちに準備できることはもうやり尽くしていて、気ばかりが焦るのです。アゼルバイジャンアゼルバイジャンは焦るの予測変換で出てきました。あんたの出る幕じゃねえよ引っ込んでろよと思ったけど、アゼルバイジャンがさびしそうにしていたので「……ちょっとだけならいてもいいよ」って思ってしまいました。私はさびしそうな人をつい甘やかしてしまう、そういう甘やかしバイジャン的なところがあるので気をつけたいです。

焦るバイジャンが過ぎて最終的に全部ほったらかして『リルリルフェアリル~妖精のドア~』という女児向けのアニメを録画してくりかえし見たりしていました。私の肩には常に妖精がちょこんと座っているという空想で現実逃避もしてしました。 思えば私はこの手の空想が昔から得意な現実逃避バイジャンでした。十五歳ぐらいになるまで空想上の友達がいました。名前はあゆみちゃん。

今でも「あゆみ」という名の人を見ると「あゆみちゃんと同じ名前だ……」などとしみじみと思ってしまいます。いしだあゆみとか見るたびに思う。あー、あゆみちゃん、「順風満帆」を「じゅんぷうまんぼ」と読んだあゆみちゃん、今頃どうしてるんだろ、元気かな……とかも思うのです。空想上の人物なのに。

「順風満帆」という言葉を見聞きするたび、私はあの時「まんぱんって読むんだよ、なんでマンボなの、なんで急にそんなラテンなの」ってあゆみちゃんと肩を叩きあってゲラゲラ笑ったのを思い出して、クスクス笑ってしまうのです。それからそのあと年賀状に私が「順風マンボな一年になりますように!」って書いて、新年早々あゆみちゃんから怒りの電話がかかってきたことなんかも思い出して、やっぱりまたひとりでクスクスって笑うし、すこしだけ涙が出ちゃうのです。おかしいですよね。だってそんな出来事、現実にはまったく起こってないんだから。 だけど笑って泣いた後、やっぱりあとすこしだけがんばってみよう、やれることをひとつずつやっていこうっていつも思うのです。いつか彼女にまた会えた時に「最近どう? 順風マンボ?」って、笑顔で言えるように。まあ空想上の人物だから会えないんですけどね。ぜったいにね!