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太てえよね。

親知らずを抜いたんだ。先週の金曜日にさ。右下に生えてたやつをさ。横向きに生えていやがった。20年近く生えっぱなしにしてたものをなんで今更抜くことにしたかってえと、新しく通い始めた歯医者さんで「抜いとく?」って言われたからなんだけどね。
「横向きに生えてるから磨きにくい」という話をしたらさ、「抜いとく?」て。後頭部に白髪一本あるよ、みたいな気安さで言われたからさ、つい「あっハイ」て答えちゃったよこっちも。
早々にこの文体にも飽きたからしれっといつもの感じに戻りますけど口のいちばん奥の歯を抜くというのは大変ですね。しかも横向きだから全然抜けなくてよう。

私も最初は顔にかけられたタオルの下で無意味に白目むいたりしながら「あぁ~今この部屋にいる中で、私が白目向いてることを知ってるのは私ひとりなんだナァ」と感慨に耽る遊びをしてましたけど、あまりにキュインキュインゴイゴイキュインキュイングイグイシュゴゴゴゴーが終わらないもので、終わらないシュゴゴゴーだったもので、だんだん不安になってきて、まだ終わらないの? まだなの? 偉大なるシュゴゴゴン? とか思いはじめて、まさかこの世の終わりまで私はこの椅子の上でシュゴゴゴンし続けるの? シュゴゴゴンで一生を終えるの? という不安でいっぱいになりした。
シュゴゴゴンはあの唾液を吸う器具のことです。名称がわからねえからさ。「危ないからちょっと舌押さえますから」と言われてあの器具で舌を強く押さえられて吐きそうになりました。たぶん無意識のうちに舌をめまぐるしく動かしていたんだと思います。タケコプターぐらい。


歯医者の先生も最初は「大丈夫ですよ、怖くないからね、力抜いてね」とか優しく囁き続けてくれていたのですが、あんまり抜けないもんだから最終的には「チッ!」って言っちゃってました。
あんた今舌打ちしたやろ! したやろ! 絶対したやろ! と思ったけど言えなかった(舌を押さえられていたから)

そんな感じでなんとか歯を抜いてもらい、チクチク縫うてもらい、「腫れるよ。熱も出るかもね。でも腫れるのは普通だからあわてて電話してくんなよ、明日休診日やし(意訳)」と言い含められて帰ってきましたけど、2日ぐらいはまともに食べられないものですね。片方のみで噛むのが辛いというよりは口が2センチ程度しか開かないのが不便でした。ほんと、郵便ポストの手紙いれるとこぐらいしか開きませんで、ええ。

3日目からは痛いながらもいちおう固形物が食べられました。
「痛い……でもおいしい……痛い……」と言いながら食事をする私を見て知人が「私は親知らずを抜いたあと一週間ぐらいまともに食事ができなかった。寺地ってたくましいっていうか、マジ太てえよね」みたいなことをすげえ得意気に小鼻をふくらませながら言ってきたので、親知らずを抜いたあとのまともに飯食えない日数が長いほど人間界では優位に立てるのか! ユリイカ! と思いました。明日抜糸です。