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『ミナトホテルの裏庭には』のこと(帯の話とか)

『ミナトホテルの裏庭には』の帯は宮下奈都さんにお願いしようと思います、という話を聞かされた時、ああそうなったら嬉しいけどまあお忙しいだろうし、あんまり期待しないでおこう、と思いながら、とりあえず書店で『羊と鋼の森』を買ってきて読みはじめた私は、こんなに美しく静かで、それなのにたしかな強さがある本にはじめて出会ったぜよと思い頁をめくる手がブルブル震え(心が震えると身体も震える体質)、もし帯の件を断られてもその話がきっかけでこんなに素晴らしい本に出会えたのだからそれで充分だ、とかなんとか思っていた。
「才能」というものについて惑い、あるいは怯え、あるいは激しく欲し得られずに絶望した、というような経験のある人は、読むときっと心打たれ、そして背中を押された気持ちになるのではないでしょうか。とか思った。
『羊と鋼の森』を三度ほど読み返したところで担当のひと(よそよそしい呼びかただが名前を出してよいのかどうかわからないので)から「宮下奈都さん、ご快諾いただきました」という連絡をもらい、ウッヒョーてなもんで、ワッピャーてなもんで椅子から立ち上がって飛びはねたりクルクルまわっていたら腰がグキッとなり、痛え痛えと苦しみながらも喜びの瞬間をTwitterでつぶやくことだけは忘れなかった。

(Twitterはりつけがなんかうまくいかなかったので、内容は適当に想像してください)

宮下奈都さんといえば『神さまたちの遊ぶ庭』という本の表紙がとてもかわいいなあ、と思っていたのだけれども、それを描いた布川愛子さんに『ミナトホテルの裏庭には』のカバーイラストを担当してもらえると知った時も嬉しくて鼻血がブシャーと出そうだった。装丁は鈴木久美さんで、カバーだけでなく目次やその他の頁もかわいくて、ぱらぱらっとめくってみるだけでなんか楽しくなる。

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布川愛子さんには『asta*』3月号に載せてもらった『魔法なんてここにはない』という短編のイラストも描いてもらっている。これがまたかわいくてよー。(鼻の穴にティッシュを詰めながら)

『ミナトホテルの裏庭には』に花岡さんという娘さんが出てくるのですが、『魔法なんてここにはない』の主人公はこの娘さんです。なお魔法のiらんどとは一切関係ありません。

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『asta*』3月号には藤田香織さんによる『ミナトホテルの裏庭には』のレビューも載っていて、これをぜひ多くの人に読んでほしく思う。なぜなら私がほめられているから。ほめられているから。

藤田香織さんはデビューした時にはじめてインタビューをしていただいたかたで、その時に聞いた話を私はすごくよく覚えていて、気分が落ちこみそうになるとその話を思い出したりしていて、だから2作目のレビューを書いてもらえたことも、宮下奈都さんと共に帯文を書いてもらえたことも、すごくうれしい。なんかこう「うれしいなァ……(ニヤニヤ)うれしいなぁ……(帯を眺める)」みたいな、すごく気持ちの悪い喜びかたをしている。

あんまり内容をくわしく書くわけにもいかないけれどもとりあえずあと4回ぐらいは本の話をしたいので次回までになにを書こうか考えておこうと思うニャン。