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こんにゃくちゃん現る。

マザーになった喜び的なものをいまいち感じられぬままトゥデイまで過ごしてきてしまったミーですけれども、子を産んで良かったなと思うことのひとつに「ひとりの人間が言語を獲得していく過程」を観察できたというのがあります。しかも最前列でね。かぶりつきで。

かつて一世を風靡したギャグ「ラーメンつけ麺僕もちメン」でお馴染みの息子おもちくん(仮名)がはじめて笑ったのは生後四ヶ月の時です。私がワイドショーを見ながら言った「あっおもちくん、レディー・ガガだよ。今日もお洋服がカッ飛んでるねえ」ということばに反応して「んぎぎぎぎー」と笑ったのでした。赤子は鈴が鳴るように笑うものと思っていたので、笑い声がものすごく汚くてびっくりしました。
ちなみにその後「レディー……ガガ!」って言いながら白眼をむくというあやしかたが一時的に流行りました。一時的にね。夫が「スティーブ……ジョブズ!」って叫ぶあやしかたを試したんですが全然ウケてなかったです。これは夫にとってはかなり恥ずかしいことではないかと思うのでもう一度言いますが全然ウケてなかったです。

あとおもちくんは一歳の頃風船のことを頑なに「ちいちいたん」って呼んでましたね。「風船ね」って訂正したら「ちい、ちい、たん!」って若干キレ気味で念押されてね。

そんな片言の日々を経て、三歳半になった現在では随分ことばの取り扱いも巧みになりました。ご飯の途中でウロウロしだしたから「座ろうね」って注意したらにっこり笑って「あっ大丈夫デスヨー?」てね。大丈夫じゃないよ。全然大丈夫じゃないから注意してルンです。この前『写ルンです』と『ヒルナンデス』って似てるよねって夫が言ってました。似てないです。

それから最近は言語の習得だけでは飽きたらず造語まではじめました。「どっこらぽーん」とかね。おもちゃ箱をひっくり返す時の掛け声。恐怖の掛け声です。部屋ちょう散らかる。関係無いけどうちではレゴブロックを「トラップ」と呼んでます。(落ちてるのを踏むと痛いから)

あと、よくわからないキャラになりきって喋るってのもお気に入りらしくてね。ご飯作ってたら「お母さん来て! すぐ来て! 座って!」って呼ばれて正座させられて。そんで「いい? 見ててね」って真剣な顔で言われたわけ。
グリルで焼いてる秋刀魚のあんばいを気にしつつ「うん」って答えたらいきなりこっちに背中向けて、それからケツを、あっごめんなさいケツだなんて品のない、おケツをぐいっと突き出して腰に片手当ててクルッと振り返ってさ。もう片方の手は顔の横でパーにして笑顔全開。
次に何を言い出すかと思ったら大声で「ハァーイ!」って。いきなりのアメリカンスタイル。こっちは度肝抜かれちゃってね。ビバリーヒルズ青春白書ということばが頭をよぎりました。

「ハァーイ!ぼく、こんにゃくちゃんです!」
「えっ(誰?)」
「……好ききらいはありません」←なぜか急にヒソヒソ声
「ああ、そうですか……(誰?)」
「もしゃ!」
「?」
「もしゃ!もしゃ!もしゃもしゃ!」
「!」
この「もしゃもしゃ」というのは私の髪の毛をむしって食べる音です。わしゃニワトリかっちゅうぐらい毛むしられた。あと秋刀魚が焦げた。

アメリカナイズされたこんにゃくの主食が人間の髪の毛です。わけわからんですよね。私もさっぱりわからん。
でもね「まりしゃん(関根麻里)かわいいね、お母さんもかわいいよ」とか、かわいいことも言うんですよ。嬉しいよね。完全に関根麻里のついでなんだけど別に気にしてないから。別に私はそんなことは全ッ然気にしてないんだから。おわりだから。