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とにかく近眼って嫌ですよね。

近眼って嫌ねって、近眼ってほんとうに嫌ですよねっていう話なんですけど、近眼ってとにかくいろんなものを見誤るよねって、わたしは言いたい。声を大にして言いたいのです。

たとえば図書館なんかで、作家の西村寿行さんという人の本、あの背表紙が目に入ると絶対「にしむらぶぎょう」って読んでしまいますから。西村奉行って。江戸町奉行西村金四郎景元ー! って頭の中で桜吹雪が散ってますので、悪人どもがひれ伏してますので、わたしもついでにひれ伏してますので、だから近眼って嫌ですよねってわたしは言いたいです。近眼じゃない人にも伝わるように大きな声で言いたいのです。

それからスーパーマーケットなんかで、高菜おにぎりって書いてある商品を『高級おにぎり』と見間違えてオイオイ、って半笑いになっちゃうのも嫌ですよね。「オイオイおにぎりごときに高級って……海苔の代わりに金箔でも巻いたのかな。それとも梅干の代わりにダイヤモンドかしら」なんて半笑いでそのおにぎりを手にとって、「高菜ッ!」って気付いたときのあの身の置きどころの無さ。もうほんとうに近眼って嫌ですよねってわたしは言いたい。できれば拡声器を使って言いたいのです。

ほんとうは近眼だけが問題なんじゃなくて、生まれついてのスットコドッコイな性格が問題なんだってわかってるけど、やっぱりわたしは言いたいのです。ねえ近眼ってほんとうに嫌なんですよねって、あなたに。