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はぎ子はわたしを許してほしい。

先週から、右足のふくらはぎだけが筋肉痛になるという事態が頻繁におきてます。そんな局所的に筋肉痛になるようなトリッキーなポーズをキメた覚えはないんですけどね。なんでだろうって考えたんですけど、これはもしかして、メッセージなんじゃないかって。ふくらはぎ王国からの。
ふくらはぎ王国なんて知らないよ、地球儀にものってないよって、みんなは言うかもしれない。言っとくけどわたしだって知りません。見たこともない。でも見えないから存在しないっていうのはちょいと乱暴でしょ。わたしはブダペストモンテカルロも見たことないけど、だから存在しないとは思わないもんね。
多分、今ふくらはぎ王国で内乱が起こってるんだと思う。ふくらはぎの理想とはなんたるかということで王族、大臣、哲学者、その他全ての国民が大激論。筋肉がついてるにこしたことない派、細ければ細いほど良い派、美しい曲線を求める派入り乱れて、お城の前でひと悶着ふた悶着してる。その状況を憂いたふくらはぎ王国のはぎ子姫がわたしに助けを求めて、痛みというメッセージを発してるに違いないのです。

でもまあ、断りますよね。当然断ります。一国の内乱を鎮められるような器じゃないんだ、あたしゃ一介の主婦でございますと。はぎ子にはお引き取り頂く。でもはぎ子は諦めない。どうしてやる前から諦めるの? なんで自分の限界を決めちゃうの? とかって泣いちゃう。わたしはお姫様に泣かれると弱いタイプだから渋々行きますよ。ふくらはぎ王国に。そんでお城のバルコニーから切々と訴える。ふくらはぎたちよ、お前らだけが熱くなっても駄目なんだと。足首や膝や太ももたちと協力せねば歩いたり走ったりできないのだからと。お前らは人間のからだのひとつのパーツである足の、そのまたひとつのパーツに過ぎぬのだから、とりあえずふくらはぎの本分をまっとうすることに専念せよと。
そしたらふくらはぎ王国民はウォーって感激すると思う。で、はぎ子はわたしの手をとって礼を述べるんです。ありがとうと。はぎ子カンゲキ! って。その頃にはわたしももうはぎ子に心許しちゃってるから嬉しくなって「これぐらい朝飯前だよ、おはぎ!」って、愛称で呼ぶと思う。そしたらはぎ子が唐突にキレるのね。「わたしをあんなアンコまみれの菓子みたいに呼ぶんじゃねーよ」って。怒髪天をつく勢いで。なんで? おはぎっておいしいのにね?

そんなわけでわたしのふくらはぎはまだ痛いままです。はぎ子はいい加減わたしのこと許してほしい。